KyberNetwork(カイバーネットワーク)



■目次


1.KyberNetwork(カイバーネットワーク) 概要

KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、仮想通貨やデジタル資産(トークン) をトラストレスかつ分散的に、高い流動性で迅速に取引・交換することができる、世界初のオン・チェーンプロトコルです。Vitalik Buterin氏もアドバイザーとして名を連ねています。KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、分散型取引所(DEX)として機能するだけではなく、Ethereum(イーサリアム)アカウントが簡単に、特定のトークンからの支払いができるようにする、決済APIのプロバイダとしての役割も持ちます。KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、Ethereum(イーサリアム)ネットワーク上で動作していて、将来的にはRelayや次世代のプロトコルであるPolkadotやCosmosを利用することで、クロスチェーン取引を行うこと支持しています。これが実現すれば、Ethereum(イーサリアム)アカウントは、他の通貨からの支払いを安全に受け取ることができます。


2.既存の集中型・分散型取引所の問題点

KyberNetwork(カイバーネットワーク)が生まれた理由は、既存の集中型・分散型取引所に致命的な欠陥があるからです。まず、集中型取引所の欠陥は、よく知られているように、取引所を運営する中央体が存在するため、ハッキング、不正あるいは破綻の危険性が存在することです。現在、世界中の取引所がアタック(攻撃)を受けていて、資金が流出してしまう例が後をたちません。早急なセキュリティ対策が必要です。次に、分散型取引上の欠陥は、オーダーブックがチェーン上にあることです。これにより、多額の注文を修正・キャンセルするコストが高いだけではなく、取引が約定するまで繰り返し注文を行うことに手数料がかかってしまいます。最後に、両者に言えることとしては、取引あるいは入出金にたびたび時間がかかることが多いことです。これは、ユーザビリティを低下させます。


3.KyberNetwork(カイバーネットワーク)を支える仕組み

3-1.オンチェーン分散型取引所と決済APIサービス

KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、オンチェーン分散型取引所と決済APIサービスを提供しています。重要な点は、オーダーブックが存在しないことです。その代わりとなる仕組みが、リザーブ・ウェアハウスです。ここには、通貨の流動性を保つため、十分な量のトークンが保管されています。取引レートは、Kyber コントラクトとリザーブ・マネージャーによって決定されます。ユーザは、注文をするより先に、レートを知ることができます。さらに、KyberNetwork(カイバーネットワーク)の決済APIを用いることで、入力と出力のタイプを変えて送ることができます。例えば、Xさんが、トークンAを KyberNetwork(カイバーネットワーク)に入力として送り、トークンBを出力としてYさんが受け取ることができます。これらの取引は、トラストレスかつ単一のトランザクションとして扱われます。そのため、迅速に取引を完了することができます(Instant Trade)。そして、KyberNetwork(カイバーネットワーク)の取引はユーザの資産を預からずに実行するため、安全性が高いです。


3-2.ステークホルダー

①ユーザ
ユーザは、ネットワーク上でトークンを売買します。個人、法人、スマートコントラクトアカウントを含みます。

②リザーブ・エンティティ
リザーブ・エンティティは、プラットフォームの流動性を提供します。 KyberNetwork(カイバーネットワーク)独自でも、他の市場参加者により登録されるサードパーティでも構いません。

③リザーブ投資家
リザーブ投資家は、リザーブ・エンティティに資金を送り、プラットフォームの利益を共有します。リザーブ投資家は、公にされているリザーブにのみ存在します。

➃リザーブ管理者
リザーブ管理者は、リザーブを保守して、取引レートを定め、レートを KyberNetwork(カイバーネットワーク)に提供します。

⑤KyberNetworkのオペレータ
KyberNetworkのオペラータは、リザーブ・エンティティの追加や削除を行い、ネットワーク内のトークンをリストに載せたり、リスト取り除きます。

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3-3.複数のリザーブ

KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、良心的な価格と高い流動性を保証するために、複数のリザーブが共存することを推奨しています。これにより、特定のリザーブによる独占を防ぐことができます。さらに、KyberNetwork(カイバーネットワーク)のオペレータとは異なる、さまざまな人々がそれぞれのリザーブを管理することを認めることで、KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、取引量の少ない通貨の管理コストからリザーブ運用者から解放することで、そのようなトークンをサポートします。このように、KyberNetworkにリザーブを登録することで、さまざまな当事者が、取引量の少ないトークンの取引・交換を行うリスクを削減することができます。さらに、資金はKyberNetwork(カイバーネットワーク)が保有するのではなく、リザーブ・コントラクト上に記録されることを頭に入れておきましょう。

KyberNetwork(カイバーネットワーク)に取引・両替のリクエストがくる時、そのリクエストをプロセス化させることができるすべてのリザーブの中から、最適な交換レートを選び、実行されます。前述したように、KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、ユーザの資産を所有しません。そのため、ユーザの資金とリザーブにとって安全に取引を実行することができます。また、取引はアトミックで実行されます。ちなみに、KyberNetwork(カイバーネットワーク)をローンチする時は、単一のメイン・リザーブを動作させてから、他のリザーブの登録を始める予定です。

3-4.リザーブについて

ここで1点気になることがあります。どうして、他のリザーブはKyberNetwork(カイバーネットワーク)に加わるべきなのでしょうか? まずは、ユーザが多いことがその理由として考えられます。ユーザが少ないと、流動性がなくなり、取引を約定させることが難しくなります。そのため、ネットワーク効果を利用したいと思うのは、必然です。次の理由は、各種ツールがKyberNetwork(カイバーネットワーク)には実装されているからです。例えば、リザーブ・ダッシュボードは、リザーブ・マネージャーのポートフォリオ管理を助けるツールです。それには、標準的な取引アルゴリズム・ストラテジーが含まれており、柔軟にいつでもどこでも実行・運用することができます。

次にもう一つ重要な疑問があります。それは、リザーブを安全に保つにはどうすれば良いのかというものです。まず、リザーブを2つに分類しましょう。1つ目はプライベート・リザーブで、2つ目はパブリック・リザーブです。前者は、外部に公開されていませんので、比較的安全です。問題は、パブリック・リザーブです。これは、外部からの投資を受け取り、収益を配分する役割があります。外部と接点をもつので、安全性を保つため、工夫をしなければなりません。まず、MelonFund のように透明性のある資産管理モデルを採用することです。次に、状況に応じては特定の制限をかける必要あるでしょう。最後に、KyberNetwork(カイバーネットワーク)は、オン・チェーン、オフ・チェーンのメカニズムを両方採用してセキュリティ対策に重点を置いています。


3-5.APIについて

①ユーザAPI
a.Transfer (amount, souce tokens, destination token name. desitination address) 関数
souce tokens をdestination tokenへ変換して、それをdestination addressに送る

b.GetExchangeRate (tokenA, tokenB) 関数
トークンAとトークンBの交換レートを出力します。

②リザーブ投資家API

a.ContributeReserve ( token type, amount )関数
トークンタイプと数量を引数に、リザーブに投資します。そして、一定量のリザーブ・トークンを受け取ります。

b.WithdrawProfits() 関数
リザーブ投資家が利益を受け取ります。

c.WithdrawContribution(KNC account, token type) 関数
投資家がトークン形式を指定してリザーブから出金します

③リザーブ・マネージャーAPI
a.SetRate (token A, token B, rate) 関数
トークンAとトークンBの間で交換率を設定するには、このAPIを1つのトランザクション内のペアのレートを更新する異なるAPIに置き換えます。その目的は、バッチ処理によってガスコストを軽減させるためです。

➃リザーブ運用者API
a.ListPair (token A, token B, initial rate) 関数
KyberNetwork(カイバーネットワーク)がサポートする新しいトークンペアを導入する。

b.DelistPair (token A, token B) 関数
特定の通貨ペアの取引をストップします。

c.AddReserve (reserveAddress) 関数
新しいリザーブをネットワークに加えます。それは、リザーブ・マネージャーにより管理されます。

d.RemoveReserve (reserveAddress) 関数
すでにあるリザーブを消去します。理由は、流動性や価格、その他の要因があります。


3-6.独自トークンKNC

KyberNetwork(カイバーネットワーク)の独自トークンであるKNCの役割を紹介します。

  • リザーブがネットワークに参加する時
  • 活発に取引を行う参加者への報酬
  • KyberNetworkを紹介するパートナーへの支払い
  • ネットワークに参加するリザーブの利益
  • KyberNetworkの運用コスト

また、KyberNetwork(カイバーネットワーク)はトークン価格を安定させるため、デリバティブ、Forward(先物取引)、オプション取引を実現する計画があるようです。