リスク(LISK)




1.リスク(Lisk)概要

LISKとは
2016年2月〜3月に行われたリスクのICOは14,000BTC以上の資金を調達しました。リスクがリリースされたのは同年5月です。リスクを一言でいえば「分散型アプリケーションプラットフォーム」です。なお、プラットフォームの名称がLiskで、通貨単位はLISKです。

分散型アプリケーションはDecentralized Application略してDApps(ディー・アップス)と呼ばれます。DAppsは以下の3要素をみたすものです。

1.アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること。
2.アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること。
3.アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。
引用元:DApps (非中央集権・分散型アプリケーション)とは何か?なぜ重要か?

DAppsと聞いてイーサリアムを思い出す人が多いでしょう。ただ、リスクのDAppsの仕組みはイーサリアムのものとは異なります。その理由はサイドチェーンの存在なのですが、詳しくは後述します。

リスクは、コンセンサスアルゴリズムにDPOS(Delegated Proof of Stake)を採用しています。DPOSは2014年に始まったBitSharesで初めて採用された間接民主制のような仕組みです。仮想通貨の保有者が投票を行うことで、取引の承認者(delegate)101人選ばれ、承認者がブロックを生成します。承認者には取引手数料の他に、新たに発行されるLISKが与えられます。取引を承認することをリスクでは、フォージング(鋳造)と呼びます。

DPOSは他のコンセンサスアルゴリズム(PoWやPoS)と比べて、承認の手続きがシンプルなため、取引の処理能力が高いです。また、ビットコインに比べてより分散的であるともいえます。なぜなら、ビットコインは誰でもマイニングに参加できますが、実質6つのマイニングプールが90%以上の採掘力を占めているからです。ただ、安全面に関しては未知数であることが多く、今後の動向を注視する必要があります。


2.リスク(Lisk)特徴

リスクとイーサリアムが異なる最大の要素はDAppsの基盤がサイドチェーンにあるかどうかです。リスクでは、メインとなるブロックチェーンではなくそれぞれのDApps毎に一つずつブロックチェーン(サイドチェーン)を作成してその上でコードを走らせます。メインチェーンにはサイドチェーンへのリンクのみが載ります。一方、イーサリアムはメインのブロックチェーン上にスマートコントラクトを記述します。そのため、一度ブロックチェーン上に載せたコードをDAppsの開発陣が修正することは叶いません。

サイドチェーンを利用することで、スケーラビリティ(性能 / 処理能力)を向上させることができます。すべてのプログラムを一つのブロックチェーン上で走らせるのではなく、複数のブロックチェーンで個別に走らせる方が処理能力は高まります。このことは容易にイメージできると思います。さらに、サイドチェーンを使うことでメインのブロックチェーンに載る情報も少なくなるため、メインのブロックチェーンにおいてもスケーラビリティの向上を期待できるというメリットがあります。

リスクはとても柔軟にDAppsを作ることができて、簡単にプログラムを変更することができます。例えば、イーサリアムのブロックチェーン上で致命的な欠陥が見つかった場合、それを修正するためにはハードフォークをするしかないという状況も考えられます。その点、リスクはサイドチェーンごとに開発が行われているため、一つのサイドチェーンで問題が起きれば、それを切り離すことで問題を解決することができます。蜥蜴のしっぽ切りのようなものですね。

ただ、サイドチェーンにもデメリットはあります。それは、サイドチェーンにおいても承認者(delegate)を用意する必要がある点です。これが開発者の負担になります。特にチーム人数やユーザーの少ない規模の小さなDAppsの場合は、攻撃を受けやすく、セキュリティに問題が出る可能性があります。一般的にも、プライベートチェーンはパブリックチェーンに比べてセキュリティが低くなるといわれています。この問題に関しては何らかの対策が必要になるでしょう。


3.リスク(Lisk)将来性

リスクをイーサリアムの上位互換と見ている投資家も多いようです。取引所のチャットでもそのことをよく目にします。確かに、ここまで説明してきた内容を振り返ってみれば、DPOSの採用、スケーラビリティの向上、サイドチェーンの存在など、イーサリアムの機能をより高性能にしたような印象を持ってもおかしくはないと思います。それでは、すぐにリスクはイーサリアムの時価総額を追い抜くでしょうか。答えとしては「NO」だと思います。なぜなら、イーサリアムには圧倒的に先行者利益があるからです。認知度や開発者数、DApps数や提携企業数などにおいて、イーサリアムはリスクに圧勝しています。

仮想通貨と聞いて真っ先に思い浮かべるのはビットコインだと思いますが、ビットコインとは全く異なる仕組みで最上位に立っているのがイーサリアムです。多くの海外取引所でも基軸通貨として用いられるETHの認知度はリスクの比ではありません。要するに、ブランドイメージにおいて、リスクはイーサリアムに到底叶いません(少なくとも今後しばらくは)。

また、開発者数やDAppos数の多さでも、イーサリアムに軍配が上がります。ただここに関しては、リスクもイーサリアムを追い抜くために一工夫しています。それは、DAppsの開発言語にJava Script(ジャバスクリプト)を用いている点です。ちなみにJavaとJava Scriptは名前は似ていますが全く違う言語ですので注意しましょう。Java ScriptといえばWEB系のエンジニアであれば習得は必須といっても過言ではないほど、多くのエンジニアが学んでいる言語になります。つまり、開発にJava Scriptを採用するということは、より一般層がリスクのプラットフォーム内に入ってきてほしいという意志の現れなのです。対して、イーサリアムはSolidityという独自の言語を使っていますので、コントラクトコードを書く時に学習コストがかかってしまいます。このリスクの戦略によって、今後開発者数、DApps数が飛躍的に伸びていくことも期待できます。

リスクは、マイクロソフト社の法人向けクラウドサービスであるWindows Azureと連携することを発表して話題になりました。ただ、ここでもイーサリアム企業連合(EEA)に参加する500以上の企業群と比べたらリスクはイーサリアムに到底及びません。EEAでは、intel、JPMorgan、MUFGグループ、TOYOTA、KDDIなどの名だたる大企業が名前を連ねています。リスクが果たしてこれからEEAを超えるほど企業に対して影響力を持つことはあり得るでしょうか。これもなかなか厳しいのではないでしょうか。

このように、リスクがイーサリアムと世代交換するためには、乗り越えるべき壁がいくつもあることがわかりました。技術的優位性はもちろんのことながら、プロモーションやマーケティング、ブランディングといったビジネス視点からの施策もリスクはとっていく必要があるかもしれませんね。


公式HP https://lisk.io
ウォレット(wallet) https://lisk.io/download
通貨単位 LISK
取引承認システム DPOS
インセンティブ 鋳造
総発行枚数 無限
主な取引所 コインチェック(coincheck)
ビットレックス(bittrex)
ポロニエックス(poloniex)